理想と現実

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私は男っぽい格好が好きだ。

子供の頃は女の子らしい格好をし(スカートやワンピースが好きだった)、髪を伸ばし、女の子らしいものを身につけていたが、今は全くの逆である。

今着る服といえば基本黒で男物の時もあるし、髪は結べないほどの短髪でしかも刈り上げだし、胸はナベシャツで潰している。簡単に言ってしまえば、こんな格好じゃ女子トイレや女性用の服が売っている店に入れないでしょ、というような見た目だ。女らしいものなど一切持ち歩かないし、化粧だってしないし、第一もう可愛い色やデザインなんて似合わないだろ。

大人になったと同時に、女らしさはどこかに捨ててしまった。ネットの中での一人称はもう何年も「俺」だ。口も悪い。流石に現実世界では「私」と言っているし、頑張って丁寧に話すが(中学時代はどこでも「俺」だった)。男に生まれてきたかったと思った事もないわけではない。男にも男なりの苦労はあるだろうけど。

色気?そんなもの知らない。寧ろ男に間違われた方が嬉しいくらいだ。

だがこんななりだからだろうか。今まで「男ですか?」と聞かれた事は一度もない。

女子トイレに入っても叫ばれた事はない。男と間違えられて喧嘩を売られた事もない。

男に見えない理由は色々あると思う。目はぱっちりしているし、色白だし、身長だって特別高いわけじゃない。ムダにデカいだけの女性特有のヒップラインも男に間違われない原因かもしれない。人から見ればただの「男に化けられなかった女」だ。

あーぁ、もっと切れ長の目で、色黒で、長身で、細身に生まれてきたかったな、とよく思う。まぁ所詮ないものねだりなのだけれど。でも身長だけはどうしても欲しかった。別に小柄というわけではなく、今大体160cmあるかないかくらい。ヒールの高い靴を履けば盛れるけど、よく何もないところで足を捻って面倒臭い思いをするので、ぺたんこの靴でも充分な身長が欲しかった。欲を言えばあと5∼10cmくらいは。

だが、私の両親はどちらも小柄である。何なら親戚にも背が高い人はあまり居ない(全員に会った事があるわけではないのであくまで予想)。遺伝には抗えない。高望みするだけムダ、という事なのかもしれない。

現実世界が無理なのなら、ネットの中だけでは男っぽく居よう。なりたい自分になろう。私はそう決意している。